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俺がお前でお前が俺で園芸講座②

100年に1回の暑い夏に園芸講座も何もないだろう。

水をやってくれ!水! 以上。

何で俺、園芸講座みたいなの書くはめになったんだっけ?

よく考えると俺、誰にもこんな事頼まれてないし。
自分が何をしたかったのか全然わからない。

もう、ちゃんとした園芸講座はwaranな人の方を見てください。
そっちも実は俺が書いているので。(嘘。怒られるわ。)


では、今回は予定を変更して、昔の俺がどんなバカな事を考えながら
徐々に栽培を勉強して行ったかを書いていこうと思う。

その方が書くのが楽だし、反面教師で少しは参考になると思うから。

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植物を育てるのは「水」と「空気」

それは、俺の研修時代のお話。

当時、俺のいた会社の研修生は月イチで、ある大学教授の講義を受けさせてもらっていた。
当時70歳近かっただろう教授は、農業技術体系の基礎の部分も書かれていたり
チョコレートコスモスの研究でも有名な方だった。

講義が終わるとその先生は研修生と一緒に寮の食堂で夕飯を食べるので
俺は色々な質問を先生にする事が出来た。

こんなブログで迷惑がかかるとアレなので
仮に名前を「コニタン」とでも呼んでおこうか。

その頃の俺は小学理科で習った、うろ覚えの植物知識しか無かったが
コニタン教授は俺に園芸の基本からハウスを建てる方角まで色々と教えてくれた。

そして俺の中で一番印象に残っている先生の言葉は以下の3行。

「農家は植物を大きく育てるのは肥料だと思っているが、本当はそうじゃない。
  植物を育てるのは「水」と「空気」だ。そこを間違ってはいけない。
   肥料の中で植物を大きくするのは、せいぜい窒素くらいだ。」

はい、これ重要!

「農家は植物を大きく育てるのは肥料だと思っているが、本当はそうじゃない。
  植物を育てるのは「水」と「空気」だ。そこを間違ってはいけない。
  肥料の中で植物を大きくするのは、せいぜい窒素くらいだ。」

俺みたいな素人に理解させるために、かなり抽象化、簡略化した説明であろうが
コニタンは確かにそう言った。

俺はその言葉をそのまま受け取った。

「水と空気か。。。」

俺のイメージの中では
植物も人間と同じように喉が渇くので「水」を飲み
大きく成長する為に「肥料」という「ご飯」を食べる、という感じで思っていた。

でもコニタンの話で行くと植物の「ご飯」は「水と空気」と言う事になる。

しばらく、それがどんな意味なのかと色々と考えた。
小6知識を総動員しながら。


「そもそも空気って何?そんな大雑把に。

空気の成分は教わったよ昔。何かで。
窒素が 75%、酸素が20%、二酸化炭素が0.04%、あとその他。

そして植物がやっている事は「光合成」と「呼吸」だとも義務教育されたよ。

【光エネルギー】に「二酸化炭素」+「水」→「酸素」+「炭水化物(糖類)」

ってヤツでしょ?光合成って。その逆が呼吸だつって。

とりあえず他の事は置いておこう。

そうすると確かに光に「水」と「空気」さえあれば必要な役者が全て揃う。
それに空気は何処でも普通にあるわけだし
水の中にも酸素が少し入っていると言う噂じゃないか。

という事は…水さえやれば基本OKって事でしょ!?

さすがコニタン!
俺、農業のなんたるかが分かったよ。

栽培とは水やりの事だ!

あとは窒素を良い感じでササササーっとやるだけでしょ。

と言うか、よく考えると
空気の中に窒素もいっぱい入ってるじゃん!

よし!それ使おう!

そうすれば子供の頃よく思った

【人間がうんこを食べられれば、それだけで生きていけるのに】

みたいな完璧なサイクルができるじゃないか!!  」


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苦労するのは見えない土の中

俺は完璧に霧が晴れた気がして夕飯の時、コニタンに話をしてみた。

「先生、水と空気の話は良くわかりました。
  あと俺は空気中の窒素を使う予定なんスけど、どうすれば良いですか?」

「ほ〜ほ〜。…使おうと思ったか…加藤君。
先生も使えたらいいなとずっと思っていたんだよ。
でも残念ながら空気中の窒素は一部の植物をのぞいて
  直接使えないんだよ…。だから肥料を置くんだが。」

俺の永久機関構想?は、もろくも崩れ去った。

そしてコニタンはそこから肥料についてのディープで長~い話へ突入していった。
(なんだ、窒素以外も重要じゃねーか。。。)

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「コニタン、ま、じゃあ、肥料は置くとしても
 後は水だけやれば良いって事だから栽培って随分と簡単なんですね。」

「そう!加藤君、実は簡単なんだよ!
 でも一つだけ厄介な事がある…。それは土の中。
 土の中には根がある。そこでも酸素は必要なんだ。
 地上と違って土の中には空気が入りにくいだろう。
 潅水すれば空気のあった土の隙間は水で埋まってしまうし。
 だいたい苦労するのは見えない鉢の中(土の中)の管理なんだよ。」


「え、でも先生、水の中にも酸素が入ってますよね。
 水をやるだけではダメなんですか?その酸素も使えないんですか?また?」


「え〜と…使えるが、あの…足りないんだよ。それだけじゃ。
 水はどっちかと言えば土の中の空気を減らす方…
 …だから土の中に空気がたくさん入るようにしなきゃいけないね…
 …加藤君、ちょっと醤油取ってくれるか…」

コニタンはだんだんと面倒くさくなったのか
話題を「ホッケがうまい」という方向にもって行ってしまった・・・。



この会話、実際、ほとんどデフォルメしてない。(若干してるのかえ)

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水やり・肥料やり・空気やり

コニタンの話を聞いてから俺は 「鉢の中(土の中)」に「水と空気をやる」
という事に焦点を絞って栽培を考えるようになった。

潅水をしている時には「水」をあげていると思うが
潅水が終わって鉢の水が乾く時間は「空気」をやっていると思う事にした。

潅水直後よりどれくらい乾いたかによって
自分がどのくらい「空気」をあげたか確認する。

それは鉢の重さだったり、鉢から抜いて土の色を見たりしながら。

「空気やり」が多いと株が締まり、「水やり」が多いと株は伸びる。

夏は水をやってもすぐ乾いて「空気やり」になってしまうし
冬はなかなか乾かず「空気やり」ができない。

「空気やり」が過ぎると枯れるし、「水やり」が過ぎると根腐れする。

この二つはお互いに関連し合い
振り子のように行ったり来たりしながら、だんだん植物を作って行く。
(植物によって最適な振り幅は全て異なる)

そして、俺は水と空気のやり方次第で株や根の伸張から
肥料の効き、病気の発生にいたるまでコントロールできるという事に気付いていった。

今現在も、より良い「水やり」「空気やり」をする為に
土の配合や環境の制御、その他色々な事を含めて毎日試行錯誤しているのだ。

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前回のブログでギターにたとえて話をした。

植物はギターみたいに「弾く」という行為が分かりにくいと。
だから肥料と水をやって、後は放置しているだけになってしまうと。

でも、それは放置ではない。

「空気やり」をしているのだ。

あなたは花を買った瞬間から既に(エア)ギターをガンガンに弾きまくっているのだ。


放置プレイを考えてみればいい。

放置プレイはただ相手を無視して放置しているわけではない。

「今、俺はアイツを放置しているんだ」
「もう3時間も放ったらかしにしている…」
「きっと今頃、アイツはこんな気持ちでいるに違いない…」

と、常に相手を意識し考え、予想しているからこそ興奮するのだ。知らねーけど。

別の言い方をすると「何もしない」を「している」のである。


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2010年、夏。この記録的な猛暑。

そんな中でも、我々生産者は常に

「今、鉢の中の水の量はどのくらいになっただろうか」

「きっと今頃、アイツはこんな気持ちで…」

と、植物の「下半身」の事を四六時中、考え続けているのである。




20歳の夏


4歳の夏(多分)
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by kato-kichi5 | 2010-09-03 02:39